集客率の良い居酒屋が「ポスティングチラシ」を使っている5つの理由

執筆者: 株式会社アドネット

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大手チェーン系列の居酒屋が小さな駅の駅前にまで複数台頭している現在、個人経営の居酒屋にとって「いかに集客をするか」は店舗の存亡をかけた問題であるとすら言えます。「良い酒と料理を出し、良いサービスを提供していれば自然と客は付いてくる」－－残念ながら、多数の飲食店間で熾烈な客取り競争が繰り広げられている今、このような「プロモーション度外視」の姿勢では店舗経営を持続させることが難しいのが現状です。もちろん良いサービスや料理を提供することは大切ですが、まずはそれを知ってもらう「宣伝」を戦略的に行っていく必要があります。

成功をしている居酒屋と閑古鳥が無く居酒屋の間には、一体どんな違いがあるのでしょうか？確実に顧客を集めている居酒屋の多くは、「地元顧客」の獲得を重視しています。そしてそんな店舗が採用しているマーケティング手法のひとつが「ポスティングチラシ」です。ここでは集客に成功している店舗が「ポスティングチラシ」を選ぶ理由について解説していきます。

1.地元住民の「店舗の認知」の低さを知っている

気軽に店に訪れる常連客を掴むには、「店舗周辺の地元顧客」をどれだけ引き込めるかが鍵となります。しかし経営に失敗をする店ほど、周辺地域への宣伝を軽視してしまいがちです。新規オープンをした時には軽く宣伝をしても、その後はまったく放置というケースも少なくありません。「店があるのだから、歩いて来れる人は店舗が目についているはず」「店のことは知られているはず」と、自店の認知度が高いものだと思いこんでしまうんですね。

ところが実際に住民が把握している「地元の店」の情報は、地域にある店舗全体のわずか10％～20％程度であるとも言われています。周辺住民が認識している店舗とは、主に「自宅～駅」「自宅～商店街」等の定められたルート内にあり、なおかつ1F等の目につく場所にあるものだけです。散策をするためにわざわざ訪れる街とは異なり、地元（近所）であるほど「普段使わない道」「用事が無いエリア」にはまったく足を踏み入れません。いわゆる「灯台下暗し」となりやすいわけです。

極端なことを言えば、店舗から徒歩2～3分といった近距離に暮らしている人でも、普段のルートから店舗が外れていたり、2F・地下等にお店があれば、「居酒屋があること自体を知らない」ということになります。経営側が考えているよりも、地元住民の各店舗に対する認知性は低いものなのです。

しかし配布エリアを定めた宣伝ができるポスティングチラシを使えば、店舗周辺地域への手軽な認知度促進ができます。各戸のポストへと直接配られるチラシの視認度は99％以上。チラシ内にマップをわかりやすく配置しておけば、「近くに居酒屋があったのだ」「こんな店があったのか」という認知の掘り起こしを行うことに繋がります。

2.コンセプトを1秒で伝え差異化をアピール

多数の飲食店がひしめく現在、「飲みに行こう」と考えた新規顧客に選ばれるためには他店との「違い」をハッキリとさせ、独自の方向性を確立する必要があります。コンセプトが明確でキャッチーな店舗であるほど、「行ってみようか」という顧客の心を掴むことができるのです。

しかし例えば「食べログ」等の口コミサイトやランキングサイトの場合、そのフォーマットは一律であり、顧客側はよほど情報を読み込まないと他店との差異を測れません。結局「立地（アクセスの良さ）」「金額」「ランキング」といったより取得しやすい情報による選択判断をされやすくなり、「より立地が良い大手／より安い大手」が有利となってしまうわけです。

その点「紙面」というアナログな形を取るポスティングチラシでは、画像・デザイン・色味・フォント・キャッチコピー・紙質等の様々な要素によるコンセプトに沿った印象付けを、手に取った「最初の1秒」で手軽に与えることができます。「自店舗だけが持つ強み」を顧客に明確に打ち出しておけば、選択肢の上位へと登りつめやすくなるのです。

3.顧客の「失敗したくない」という不安に寄り添う

経営に失敗する居酒屋に多い例としては、「入店率」が低いというケースが挙げられます。この入店率とは、店舗の前を通りかかったり店に入ろうかと考えてから、「入るか／入らないか」というアクションを顧客が決断する率です。店舗の前にまで行ってはみたものの「なんとなく止めてしまった」という経験はないでしょうか？この「なんとなく」という無意識の中には、「失敗をしたくない」という不安が隠されています。

店内の雰囲気がわからない、価格がわからない、料理の写真が見られない…様々な不安要素が大きければ大きいほど、「止めておこう」というネガティブな判断が取られやすいのです。ちなみにこの「失敗回避」という心理傾向は近年、若年層により強く見られています。20代～30代の若年層ほど「失敗をしたくない＝知っている店（大手チェーン等）」に流れてしまいやすいわけです。

ポスティングチラシの紙面上で店内写真や料理写真、置いている酒のリスト、人気メニューの価格帯、働くスタッフの様子等をわかりやすく示しておけば、顧客のこのような不安を大きく拭うことができます。また料理の原産地や料理人の経歴等の付加情報を加えることでも、「選択が成功する確率が高い」と顧客は受け取ることでしょう。

4.ターゲット層を絞込み宣伝コストもカット

前述した「コンセプト」と連動する点ではありますが、居酒屋等の飲食店経営を行う上ではターゲット層の絞込み（ターゲティング）も重要になります。「どんな客に来てほしいのか」をハッキリとさせた上で宣伝をすることが大切というわけです。反対にターゲット層を曖昧なままにしておいたり、ターゲット層を広く取りすぎる弊害としては以下の3つが挙げられます。

1）宣伝内容が漫然となりやすい

例えば「若者が入りやすいカジュアルな店」と「大人が落ち着いて飲める店」では、宣伝の内容も大きく変わってきますよね。「誰にでもウケが良い宣伝を作ろう」と漫然としたものにしてしまうと、却ってインパクトが弱くなり、宣伝効果が薄れてしまうのです。

2）潜在的な非ターゲット層の反響率・リピート率が低い

ターゲティングには店舗側が規定する明確なものと、顧客側が判断をする潜在的なものがあります。店舗側がいくらターゲット層を広げて宣伝を行ったとしても、顧客側が「自分はターゲット対象外である」と判断をしてしまえば宣伝の反響には繋がりません。また店舗側がターゲット層を拡大し一時的には集客が上がったとしても、潜在的な非ターゲット層が店舗に満足をする確率は低くなります。

例えば店の内装・外装やメニュー内容等が潜在的に「若者向け」であったとしましょう。いくら店舗側が広い層に向けて宣伝を行ってもミドル層以上の反響率は低くなりやすいですし、一見客として訪れたミドル層（潜在的非ターゲット層）は「落ち着かない」「騒がしい」等と不満を感じる可能性も高いわけです。

3）マーケティングに対するコストがかかりやすい

最も大きな弊害ですね。雑誌・新聞等のメディアに載せる費用が高額となるのはご存知の方も多いことでしょう。また検索エンジン上に載せるオンライン広告についても画像・動画型の広告・表示回数保証型等でないと反響率が良くないため、やはり費用が嵩む傾向にあります。この他、新聞折り込み型チラシについても同じことが言えます。指定できる配布エリアが広く新聞契約仮定全戸への配布となるため、コストパフォーマンスが落ちてしまいがちなのです。

配布エリアをより細かく絞りこめ、配布建物等もある程度指定できる「ポスティングチラシ」は、このようなターゲット層を絞り込むマーケティングに比較的向いた手法と言えます。例えば「若い男性に多く来て欲しい」と考える店舗であれば、単身者向けマンションが多いエリアかつ集合住宅に対して集中的な配布を行うのが効率的手法と言えるでしょう。反対に「今後はファミリー層にもターゲットを広げていきたい」と考えるのであれば、一戸建て住宅やファミリー向けマンションが多い地域への配布をするのが効果的というわけです。

5.企画フェア・シーズンメニューで「リピーター」を獲得

マーケティング（宣伝）について「新規顧客を獲得するもの」と思い込んではいないでしょうか？これは実は大きな間違い。実は居酒屋経営を成功させる上では、新規顧客の獲得だけでなく「二度目・三度目来店の促進」を行うことも大切なのです。

飲食店があふれる現代、販促活動をしない場合の顧客のリピート率はわずか5％～10％未満であると言われています。サービスや料理に特に不満があったわけではなくても、「またいつか」と思いながら次回来店への足が遠のく、年に一度程度の来店になってしまう…こんなケースが非常に多いのです。定期的な来店を促すには、「3回来店」が必要であると考えられており、これは『来店3回の法則』とも呼ばれています。しかし一度来たことのある顧客に「もう一度行こうか」と思わせるには、それなりの「魅力」が必要ですよね。

ここでリピーター獲得のために活用できるのが、季節毎のシーズンメニューや企画性のあるフェアです。季節感を憶えさせる「夏向け／冬向けメニュー」、年末年始・クリスマスやバレンタイン等のイベントと連動したフェア…このような「目玉」は、再度の来店を促す大きな要素となることでしょう。

1枚あたりの配布コストが新聞折り込み等に比較して安価なポスティングチラシであれば、季節毎・フェア毎といった定期的なチラシ配布による販促も行いやすくなります。またチラシにオファー（クーポンや割引サービス等）が付いていれば、更に販促率を上げることも期待できます。ポスティングチラシを戦略的に使いこなすことで、新規顧客を獲得するだけでなく「リピーター獲得」にも繋げることができるのです。

＜おわりに＞
居酒屋のマーケティングにおいては、チラシ宣伝を始める前にまず「コンセプト」と「ターゲティング」をしっかりと定めることが大切です。現在の経営状況に不安が見られる場合、コンセプト・ターゲティングが明瞭でない、もしくは適切でない可能性も考えられます。自分の店の「強み」を見直し、その強みとマッチする世代がどこなのかを絞り込んでみましょう。