学習塾・英会話の宣伝にGISポスティングが向く理由と活用事例

大学等の教育施設の縮小化が懸念される中で、堅調な動きを見せる予備校や学習塾等の教育関連市場。「より良い学校に子どもを入れたい」と考える保護者の数はいまだ上昇の傾向にあり、これに合わせるように塾・予備校関連の広告費用も右肩上がりの増加傾向を見せています。また英会話・語学スクール等の「大人向けスクール」の市場規模も依然拡大中で、各社における生徒獲得競争の激しさが増している状態です。

「良い講師・良い教材を準備して生徒が集まるのを待つ」という方針では、残念ながら安定した集客率を維持することが難しくなってきています。より積極的に生徒を獲得するアウトバウンドマーケティングが必須項目となる中、教育関連企業からの着目度が上がっているのが「GISポスティング」という宣伝手法です。地域情報データ・商圏データ等を用いてチラシ配布を行うというこの手法が、なぜ今脚光を浴びているのでしょうか？
ここではその理由やGISポスティングを使った宣伝活用事例をご紹介していきます。

学習塾・英会話スクールの宣伝にGISポスティングが向いている理由とは？

1.「通いやすいエリア」に宣伝できるポスティング

学習塾や英会話スクール・カルチャースクール等の習い事関連で、消費者が選択ポイントとして重視しているのが「通いやすさ」という要素です。消費者アンケート調査回答によれば、実に93％近いユーザーが塾選びのポイントに「通いやすい距離感」を挙げています。回答率の高さが「講師の指導内容」「受講料金」「教材内容」等を抑えていることにも注目です。学習塾・英会話スクール・レッスン関連の広告では「教室から通いやすい範囲に住んでいる住民」へのアウトバウンドマーケティングが重要になるというわけですね。

しかしインターネット広告の場合、居住地域を細かく絞り込んだ効率的マーケティングを行うのは以下のような理由からやや困難と言えます。

・公式サイト・ブログ宣伝・動画広告等：対象者が「全国」となるため宣伝ロスが大きい
・バナー広告・リスティング広告：地域特定範囲がやや広い・複数地域特定が行いにくい
・スクール登録サイト：広告費を多く払っている大手教室が前面に出されやすい・広告費がかさみやすい

特に問題なのが地域ターゲティングの難しさです。例えば「Yahoo!」の地域ターゲティングの場合、「東京都港区」といった範囲までの地域絞り込みはできますが、区内全域対象では範囲が広すぎます。更に「バス通学可能な沿線地域」「電車通学可能な沿線地域」といった住民へのカバーリングが的確に行なえません。隣の区に居住しているが通学可能な距離感、隣駅なので通いやすいが区境をまたぐ…このような「潜在的見込客」を取りこぼす可能性も高いのです。

これに対して各戸のポストにチラシを投函する「ポスティング」では、「区（行政区）」といった広い範囲ではなく「町」、更に「丁目」までの細かい範囲での配布エリア指定を行うことができます。

【エリア想定例】

・徒歩10分圏内で通えるエリア
・自転車で通学できるエリア
・バス通学20分以内のエリア
・電車通学15分以内のエリア　等

スクールのターゲット層の年代等に合わせ「ターゲットが通えるエリア」を的確に絞り込んでいけば、チラシの反響率・反応率を高めていくことが期待できます。

2.「ターゲット年齢層」の多いエリアを抽出して更に絞込み

学習塾・英会話スクールといった習い事関連事業の特徴としては、「ターゲット層が他業種に比べて狭い」という点が挙げられます。例えば「中学受験対策」をメインとした学習塾の広告の場合、ターゲット層となるのは早期対策で小学校3年～4年、直前対策では小学校5年～6年生の居る家庭ということになります。

子どものいない家庭にいくらチラシを送っても反応は得られないですよね。従来のポスティングはエリアマーケティングに長けている分、軒並み配布等だとこのような「ターゲット外への配布」による宣伝ロスが高いという点がデメリットとされてきました。この問題を大きく改善したのが「GISシステム」を取り入れたGISポスティングです。

GISポスティングでは、国勢調査・地理情報システム等の複数のデータを用いて地域の住民属性を細かくチェックし、ターゲット占有率の高いエリアを抽出していくことができます。例えば「小学校中学年～高学年の居る家庭」がターゲットの場合、「10才～14才の子どもが多いエリア」を国勢調査データを元に抽出して「通いやすいエリア」の中から更に絞込を行えば、塾のターゲットが多いエリアに集中的なチラシ宣伝を行うことができるのです。

3.GISポスティングなら更に「収入層」等によるエリア選択も可能

塾・英会話等の習い事関連事業の場合、チラシ反応率を高めるためにはターゲットの「収入面」にも注目しておきたいところです。特に以下のような教室の場合、収入面に余裕のある家庭の方が教育関連への興味関心度・潜在的需要が高く、見学・契約といったアクションに繋がりやすい傾向が見られます。

・幼児教育
・受験の早期対策
・大人向け英会話教室
・高齢者向けカルチャースクール　等

GISポスティングでは、国勢調査・商圏データ等を用いた収入推計データによるエリア抽出を行うことも可能です。また複数のセグメントを併用した抽出もできるため、上記のような「年齢層抽出」に加えて「富裕層の多い地域」といった抽出要素を加え、よりターゲットの多い地域を絞り込んでいくこともできます。、配布枚数を抑えながら、反応率を更に上げることも期待できるというわけですね。

学習塾・英会話スクール広告にGISポスティングを使った活用事例

小学校受験対策「お受験塾」のチラシ

【宣伝対象・配布予定チラシの特徴】

・有名私立小学校受験対策の幼児向け受験塾
・小学校受験における「行動観察対策」にも対応
・小規模ながら経営実績の長さと合格率の高さが魅力
・2才から入塾可能、早期対策を重視
・専用駐車場あり
・パンフレット型チラシを配布予定

【ターゲット層想定】

合格率を高めるために2才～4才の早期入塾者を重点的に増やしたい。幼児が居る家庭がメインターゲットとなる。専用駐車場があるので、ある程度広い範囲の送迎通学も可能。早期教育・受験対策に熱心な若い夫婦家庭で、子どもを私立小学校に進学させられる準富裕層以上の家庭を想定する。

【GISによる抽出・宣伝例】

徒歩通学・自転車送迎・自動車送迎可能なエリア内より、国勢調査データから「一般世帯人数2人～4人以上」「5才未満の子どもが居る世帯」のデータ抽出を行い、幼稚園・保育園等に通っている幼児が多いエリアを抽出します。更に「世帯年収800万円以上」の推計データをプラスすることで、小学校受験への潜在的需要が高い準富裕層・富裕層家庭の占有率が高いエリアを細かく絞り込むことが可能です。

配布エリアを細かく絞り込むことで配布枚数は下がりますが、その分だけクオリティの高いパンフレット制作を行うこともできます。準富裕層・富裕層クラスが好みやすい贅沢な紙質・デザインを用いたパンフレットを配布すれば、よりターゲット層を掴める確率も高められるでしょう。

大人向け英会話スクール

【宣伝対象・配布予定チラシの特徴】

・社会人を対象にした英会話スクール
・ネイティブ講師によるマンツーマンスタイル
・TOEIC・TOEFL・ビジネス英会話に対応
・夜23時までの夜間教室の受講予約を重視したい
・デザイナーズマンション1Fに教室有り、内部インテリアも魅力
・夜間見学会も開催予定
・スタイリッシュさを打ち出したチラシを配布予定

【ターゲット層想定】

20代後半～30代の都市部で働く社会人がメインターゲット。夜間教室の生徒を集中募集したいため、単身者に絞込を行った方が反応率が高まると考えられる。教育施設・講師陣等のクオリティ重視な分だけ受講料金が地域平均よりやや高額となるため、年齢平均よりも高収入な単身層を想定。

【GISによる抽出・宣伝例】

国勢調査データから「一般世帯人数1人」「25才～39才の男女」が多いエリアのデータを抽出、更に「共同住宅持ち家／借家世帯数」が多いエリアに絞込を行うことで、都市部近郊エリアでマンション一人暮らしをしている単身層占有率が高いエリアを選定できます。更に地域の20代～30代の平均年収400万円代よりも高い「世帯年収500万円以上」の推計データを加えれば、会社帰りのスクール通い・海外旅行等にも高い興味を持つ若年層の多いエリアに対して集中的な宣伝を行えます。

＜おわりに＞
塾・予備校・英会話スクールといった教育関連施設の数が増加する中、各施設にはさらに「特化したサービス」が求められるようになっています。小規模・中規模施設になるほど、「女性向け」「高齢者向け」「幼児教育限定」といったターゲット層を絞り込んだ経営にチャレンジする企業が増える傾向です。このようなターゲット特化型サービスにおいて、ターゲット占有率が高い地域へ集中宣伝を行えるGISポスティングは大変相性の良い宣伝手法であると言えます。今後の教育関連宣伝において、GISポスティングの活用度はますます高まると言って良いでしょう。